2022.04.05 そのプチ不調、鉄不足かも(血虚)
50才未満の日本人女性の5人に1人が貧血であると言われています。
でも本当は、それ以外にも「かくれ貧血」という状態があるのをご存じですか?
健康診断で、貧血と指摘されなくても(ヘモグロビン値が正常範囲内であっても)、鉄分の貯蓄が少なくなってくる状態が、かくれ貧血です。この鉄の貯蓄は、検査ではフェリチンという数値でみます。
人の体の働きには、あちこちで鉄分を必要としますから、足りなくなると、貯蓄を切り崩して使うんですね。
たとえて言うなら、家庭でも、生活費が足りなくなってくると普通預金ではまかなえなくなって、定期預金を解約して使ってしまうようなこと。(現在は金利が低くて定期預金はしてないかも?ですが…)
とにかく余裕がない、すれすれの生活をしているということなのです。
貧血も、かくれ貧血も、そのまま放置していると、体の各所に良い血流が届けられないので、全身が「酸欠状態」になってきます。
こんな症状ありませんか?
めまい
立ち上がると視界が真っ暗に
だるい、倦怠感
疲れやすい、スタミナがない
肩がこる
頭が重い、頭が痛い
階段をのぼると心臓がドキドキ、息がハーハー
飲み込みにくさ・のどの不快感
生理前~生理中~生理後のどこかで不調
生理の量が多い
買い物の時、お店の人がちょっと遅いとイラっとする
わけもなく気分が沈む、もの悲しい
眠りが浅く、物音で目が覚めやすい
肌の血色が悪く色白で、シミができやすい
こんな症状がある方は、鉄が足りていないのかもしれませんね。
生理がある世代の女性は、毎月40~140mlの血液を失っています。
もちろんその中には鉄分も含まれています。
一方、日本人の食生活において、鉄分の摂り方が少なくなっていて、入れるよりも失う鉄の量のほうが多くなっているようです。
妊活中の女性はさらにの鉄不足解消の重要度が高まります。
卵胞ホルモンや黄体ホルモンを作る過程
卵巣に酸素を運ぶ過程
卵の成長を促す過程
子宮内膜をふんわり厚く快適にする過程
これらすべてに鉄の働きが絡んでいます。
そして妊娠してからも、赤ちゃんが育っていく間、ずっと鉄が必要です。
出産の後は、出血してさらに鉄不足になりやすいです。
鉄には、やる気を出したり、メンタルを安定させたり、脳神経を調整する働きもあります。
産後うつは、鉄不足・血液不足が解消されると相当リスク回避できるのでは?と思います。
漢方の世界では、「血」とは、栄養や熱を全身に運んで巡らせてくれる赤い色の液体のことを言います。血が足りない状態のことを「血虚」と言います。
鉄分という1つの成分ではなく、大きく全体でとらえます。
血虚には、レバーや赤身肉・貝類・豆類・青菜や海藻などいろんなものをバランスよく、よく噛んで、おなかの調子に合わせて食べてくださいね。
お茶ではなつめ茶よいですよ。
自然派サプリもあります。
漢方では血虚に良い処方をおすすめします。どの漢方が良いかは、私たちにご相談下さいませ。
女性にとって、血液を養うための日々の努力、良い血を増やすよう気をつけることは、とっても大切なことなのです。
遠藤全快堂薬局 遠藤宏子