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2023.10.12 好酸球性膿疱性毛包炎のご相談

好酸球性膿疱性毛包炎。

あまりなじみのある疾患ではありません。

どんな病気かというと、 これは皮膚の病名で、

顔に出ることが多く、胴体・頭・首・手のひらなどに出ることもある。

紅斑ができて、紅斑のふちに、毛穴と一致した白いウミだまり(膿疱)ができる。ウミの中に菌はいない。

紅斑は環を描くように外側に広がっていき、治る時は内側から治っていく。

痒みが強い。

人にはうつらない。

ニキビやアトピー性皮膚炎と似ていることもあるが、ニキビにしては治りが悪く、痒みが強い。

診断を確定するには、皮膚を切り取って組織を見る検査が必要。

なぜ炎症が起こり、好酸球がたまってくるのかはよくわかっていない。

治療法は、インドメタシンの外用・内服で症状が治まることが多い。

いったんおさまっても、再発し、おさめてはまた発症と、慢性化しやすい。

以上のような特徴があります。

2021年5月、40代女性の方から、この疾患で困っているとご相談がありました。ブログに書かせていただいてもよいとご了承いただきましたのでご紹介します。

「2年前から発症。

顔にポツッと発疹が出ると、3~5日で広がっていき、両ほほが真っ赤になる。 赤く熱を持っていて、痒い。 白いウミを伴う。 

皮膚科を受診。

組織検査はしてないから確定診断ではないが、好酸球性嚢胞性毛包炎だろう。

インフリー(インドメタシンファルネシル)を服用すると 7~10日ほどでおさまる。 おさまるまでの間は、赤くて痒くてつらい。 

おさまっても完全にすっきりするわけではなく、引ききらないうちに次を再発。 3ヶ月から半年に一度発症することを繰り返している。

発症するたびに、湿疹となった部位がいたんで皮膚が老化していくのがわかるので、体質改善していきたい。」

というご相談でした。

発症してからの対処法はわかっているので、発症されたら皮膚科で治療されます。

こちらでお手伝いできることは、まずは、なるべく発症しないよう、再発の頻度を減らすことや、発症したとしても広がりがなるべく広範囲にならないよう、また痒みの程度が強くならないようにすることが目標です。

症状が出てから飲み始めるのではなく、症状のない時から漢方薬を飲まれ、それと同時に生活面での養生をご提案しました。

それを実行して下さって、しばらくの間は発症されなかったのですが、

2021年 12月 再発

2022年 1月 再発

再発はしてしまいましたが、症状はいつもより軽くておさまったそうです。

以後は再発なし、と喜んでくださっています。(2023年10月現在)

この疾患は、一般的には繰り返しやすく難治とされています。

何の病気でもそうですが、症状が出てから治す対処法はある一方、それを防ぎたいけどその防ぎ方がわからない、というお悩みはよくあります。

体質に合った漢方薬を飲まれることによって、皮膚の炎症を起こしにくくすることは可能なのではないかと思います。

そして、皮膚はいったん炎症を起こすと治るのに時間がかかります。 赤みが減っておちついたあとは色素沈着が残ってしまうこともあります。 患部の皮膚が、もとのつやつやで張りのある滑らかな状態に戻れるかどうかは、その方の皮膚の力次第です。 年齢が上になるにしたがって、回復力は下がっていきますので、炎症は起こらないほうがいいし、起きても程度が軽いほうがよいのです。 大切なお顔の皮膚だから、なおさらです。

防げるものなら防いでいきたいですよね。

今のところは経過が良くいらっしゃって私も喜んでいます。 今後も継続してこの皮膚炎をなるべく再発させない方向で、努力を続けていただけるように、見守らせていただけたらと思います。

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